2008年11月24日

尾張旭のバリアフリーチェック

昨日、N大学生さんの卒論にご協力して、尾張旭駅周辺を一緒に歩きました。。
駅のバリアフリーについて研究なさっているようでしたが、駅までたどり着くまで、あるいは駅を出て目的地に向かう手段についても重要だとお話し、まずはロータリー周辺のバリアフリーチェックから!
ロータリーはかなり広く、無料駐輪場もあって、歩いていて自転車を倒してしまうような危険は感じませんでした。
しかし、柵に案内する無意味な誘導ブロックが敷設されていたり、車が通れなくて安全なはずの市役所までの誘導ブロックがないなど、本当に当事者の意見を聞いて整備されているのかと思う所もありました。
バス停には行き先表示を示す点字案内が全くありませんでした。名古屋市営バスが乗り入れている印場駅も同じでした。
駅の階段には点字表示がありませんでした。名古屋市内の地下鉄やJRが管理している手すりには、必ず矢印とともに「○口改札へ」「○方面ホームへ」という表示があります。
券売機の横にはファイリングされた点字の料金表がひもでぶらさかっていましたが、名古屋市内の駅のように、券売機の横に貼ってあったほうが読みやすいと思いました。
トイレや構内を案内する点字表示、音声案内板もありませんでした。

盲学校やリハビリセンターなどに通う機会がなくなると「今まで外出できていたのに独りでは出られなくなった」という話をよく耳にします。

私が住んでいる所は名古屋の西の外れです。まだ田畑もあります。ですから、点字ブロックや音響信号機がすべての交差点にあるわけではありません。そして、そんなことを要望するつもりもありません。誘導ブロックがなくても外出できなければ社会参加はできません。音響信号機がなくても自分と同じ方向に横を車が動きだせば青になったことが判るので信号も渡れます。

しかし、最寄り駅まで頑張って行けば、安心して繁華街に行って買い物や食事、文化・スポーツ活動がてきる、そんな世の中になってほしいと思います。
posted by 平瀬 徹 at 10:27| Comment(2) | 福祉・ボランティア

2008年10月14日

ヘルパーさんへの多様なニーズ

一昨日は、半年ぶりにガイドヘルパー講座に行ってきました。
今回は、還暦を迎えられた男性お一人のほかは全員若い女性。その男性を中心に、皆さんきびきびとガイドヘルプして下さいました。
私は歩くのが早いほうだと思いますが、アイマスクをしているのに私が追いつけないほど早歩きのペアもあってビックリ!そのペアはガイド役を交代してもやはり早かった!

さて、独り暮らしの視覚障害者から、こんな相談がありました。
「近々鍼灸院の開業を考えて、店舗兼住宅になる所に引っ越しました。家具を揃えないといけないのですが、最近は宅配はしてくれても組み立ててくれる所が少なくなりました。ホームヘルパーに、家具の組み立てや設置をしていただくことはできないでしょうか?」

私も最近治療室のイスが壊れて、通販で安く買いました。やはり小さな箱で宅配されてきて、父に組み立ててもらいました。パソコンラックも近くのホームセンターで買いました。
もちろん家具専門店で高額なものを買って配達料を払えば設置もしてくれるのでしょうけれど、そこまでいいものでなくてもというときもあります。

ガイドヘルパーは基本的には利用者の荷物は持ちません。いざというときのために両手を空けておいたほうがいいからです。
しかし、一人で持てるだけの買い物となると何度も足を運ばないといけないので、荷物を持たないといけないケースもあるでしょう。そんなときは宅配はありがたいです。
ガイドヘルパーはドアからドアまでと私も講義のときにはお話しますが、買い物してきた物をわかりやすくするために、印をつけたり収納したりしないといけないケースもあると思います。
力仕事が必要なときは、今回のような若いヘルパーさんたちが活動して下さるといいなあと思いました。

そうそう、早速お二人の受講生から感想のメールを頂きました。
パソコンに強いヘルパーさんが増えてくれば、音声が出なくて困ったときにもお手伝いいただけますね。
よろしくお願いします。
posted by 平瀬 徹 at 18:28| Comment(0) | 福祉・ボランティア

2008年09月12日

SPコードの普及について

SPコードは、レーザープリンターとマイクロソフト・ワードがあれば文書に添付できるバーコードのような新開発の二次元シンボルです。
視覚障害者は、SPコードをスピーチオテルミーといった読み取り装置にかけ、音声合成音で聴くことができます。
SPコードは、福祉サービスが行政による措置から、利用者が事業者を選択できる契約制度になったため、契約書を確認できるように開発が始まったと理解しています。
しかし、スピーチオもテルミーも、SPコードの読み取りエラーを防ぐためか、機械の中に印刷物の端を差し込むようになっているので、携帯して外出先で利用できるようにはできていません。
静岡県では全県的にSPコードを公文書に添付することを目指していて、昨年11月に行われた国際アビリンピック・国際会議の抄録集にもSPコードが添付されていました。しかし、テルミーはロビーに展示してあったものの、会場内への貸し出しは許可されませんでした。

昨夜、あるボランティア団体の方から、「一生懸命SPコードを普及させようと活動しているのだけれど、いまいち視覚障害者の反応が鈍いのはなぜだろう?」というお電話を頂きました。
私は次のようにお話しました。

SPコードが公文書に添付されることはとても有意義なことです。しかし、自宅でしか利用できないということは普及にとっても大きな障壁になっていると思います。また、連続して公文書の内容を読ませることはできても、漢字一文字ずつを確認できないのでは、契約内容をきちんと確認できるとは言えないと思います。
コンサートのプログラム、講座の抄録の点字版を用意するのは大変な労力と費用がかかりますし、必要部数を把握して用意するのが難しいケースもあるでしょう。このようなときにこそSPコードが有効だと思います。
しかし、会場で利用できなければ晴眼者と平等とは言えません。
コンビニやスーパーマーケットで売られている商品、駅の案内板にもSPコードが添付され、タッチするだけで情報を得られれば、安心して外出したり買い物したりできるようになると思います。
携帯性に優れたSPコードリーダーの開発こそが、SPコードの普及につながると思います。コードだけ普及しても、利用できる機会が少なけれは、視覚障害者はSPコードに興味を示さないと思います。
posted by 平瀬 徹 at 15:50| Comment(0) | 福祉・ボランティア

2008年09月01日

防災の日に「パンですよ!」

明後日まで、東急ハンズで半年に一度の安売セール「ハンズメッセ」が行われています。
妹が防災用品として売られていたパンの缶詰「パンですよ!」を買ってきました。
「パンですよ!」は、元名古屋盲人情報文化センター所長の近藤豊彦さんの発案で、名古屋ライトハウスの授産事業として製造されるようになったと聞いています。
近藤さんは元銀行員で、名古屋ライトハウスにヘッドハンティングされた方。
障害者にもきちんと給与を支払えるようにと、いろいろ職域を開拓されてきた方です。
ラジオショッピング等でも「パンですよ!」は美味しいと人気です。
皆様のご家庭にも、ぜひ「パンですよ!」を置いて災害時に備えていただければうれしいです。
posted by 平瀬 徹 at 23:02| Comment(3) | 福祉・ボランティア

2008年08月17日

山本屋の味噌煮込みうどん

遠方から盲導犬ユーザーの方が遊びに来て下さったので、昼食に名古屋駅周辺のお店をと思い、まずは山本屋総本家、タワーズ店に問い合わせてみました。すると、盲導犬はお断りという冷たい返事。
めげずに山本屋本店・エスカ店に電話してみたところ「混雑する時間にはお待ちいただくことになるかもしれませんが、ぜひお越し下さい」という温かいお返事。
たまたま電話に出られたスタッフの認識の違いなのか、席数が少ないということなのか、総本家と本店の受け入れ態勢の違いなのかはわかりませんが。
実際山本屋本店、エスカ店に行ってみると、メニューをすべて読んで下さるし、かわるがわるスタッフの方が声をかけて下さるしで、とても気持ちよく食事をすることができました。
ちなみに、味噌かつの矢場とん・エスカ店にも電話しましたが、こちらもNGでした。
ひょっとすると、アポを取らずに行けば入店させてもらえたのかもしれませんが、遠方からいらっしゃる方に気持ちよく名古屋グルメを満喫していただきたいと思い、予め問い合わせたのでした。
posted by 平瀬 徹 at 20:57| Comment(6) | TrackBack(0) | 福祉・ボランティア