2012年06月12日

ヤマハに行ってきました

6月10日(日)、美月めぐみさんからの紹介ということで、ヤマハ株式会社のデジタル楽器事業部商品開発部の方からメールを頂き、デジタル楽器のアクセシビリティについて意見を聞かせてほしい、というメールを頂き、浜松ヤマハに行ってきました。
広大な敷地にある20棟の建物は、すべて音楽部門とのこと。
私が通された18号館のプレゼンテーションルームには、エレクトーンやクラビノーバ、ステージピアノなどの最新機種を用意していただいていました。

私がエレクトーンを習い始めたころは、フロッピーディスクなどの記憶媒体はありませんでした。
発表会のときも、だれもが演奏する前にレバーを操作して音を作っていました。時間を節約するために、前の人が演奏している時に隣のエレクトーンで、ヘッドホンをかけて音を作っていたこともありました。
ラムパックというものに音色やリズムを記憶できるようになり、正常動作のときはビープ音一回、エラーのときはビープ音が三回鳴るHS8が発売されたときには、目が見えなくてもハンディがなくなったと、とてもうれしくなりました。
EL90からは、フロッピーディスクドライブも内蔵されました。フロッピーディスクの回転音で、音色やリズムのデータが書き込まれたり呼び出されたことが判るようになりました。ドットボタンやページボタンを何回押したかで、音程を変えたりリバーブをかけるなど、細かな設定もできるようになりました。液晶画面が見えなくても、殆どの機能を操作し、時間はかかっても自宅で仕込みをすることができました。
しかし、現在のステージアは、液晶画面に触れると、ボタンの位置や大きさ、数値を変えるグラフの向きがガラッと変わってしまいます。USBメモリのアクセス音はもちろん確認できません。
携帯電話もスマートホンに将来は移行してしまうのかもしれません。タッチパネルなら、専用の部品を用意しなくても、プログラミングで自由にボタンを配置できるからです。
近年は、Windowsの画面を読んでくれるソフト(スクリーンリーダー)もとても高機能になりました。しかし、最初にパソコンを使い始めた視覚障害者は、画面をビープ音で読ませるソフトの開発から始めたそうです。
電化製品のマニュアルも、ホームページで閲覧できるようになりました。私も、便利さに馴れてしまい、音声ガイドがない電化製品を操作するのに不安を感じるようになりました。
何となくですが、らくらくスマートホンの音声機能の開発情報がアナウンスされていないのは、中途半端に音声ガイドをつけると、視覚障害者から要望がたくさん出て、対応が大変だから、取りあえずはターゲットを高齢者にしぼってリリースしよう、ということなのでは?と感じているのは私だけでしょうか?
しかし、今思えば、液晶画面が見えなくてもEL900Mまではエレクトーンを弾いてきたのです。

そこで私は、ページが変わっても、ボタン配置が均等な画面を用意していただければ、以前のようにまたエレクトーンを弾けるようになるのでは?と提案させていただきました。画面上でレイアウトしたり、楽器ですから多種多様な音を出して状況をガイドするのはお手の物、と考えたからです。例えば、数値を0〜128まで変えられるとして、16とか32とか64とかの位置で違う音が鳴るようにするとかです。
スマートホンでは、メールを作成するときやフォーム入力で漢字の変換候補文字を読んでくれないと、正しい文字入力はできません。しかし、エレクトーンやシンセサイザーでは、文字入力をする場面は少ないので、iPhone 3GSのVoiceOverのような感じのもので対応できるかも、という話にもなりました。もちろん、データの管理や音色やリズムの仕込みで、パソコン用のソフトを併用できるにこしたことはありませんが。

いろいろな楽器を試弾させていただき、やっぱり私はヤマハの音が好きなんだなあと感じました。
クラビノーバ CVP-509のピアノの音は、のびがあって、とくに気持ちよかった!
ステージピアノ CP5の本体にはスピーカーがなかったので、どんなスピーカーにつなぐかによっても音がかなり変わるように感じました。そのため、クラビノーバのほうが弾いていて気持ちよかったのかも。
Tyros4は、73鍵くらいしかなかったようですが、上品な音だと思いました。
木製鍵盤じゃなくても、88鍵なくてもいいから、軽くて持ち運びができるよい音のキーボードが欲しくなりました。

帰りに、浜松市楽器博物館に連れてっていただきました。
まず、点字のパンフレットをさりげなく渡されたのにビックリ!
触れる物は少なかったけれど、イヤホンガイドやヘッドホンで、各国の楽器の説明や演奏を聴くことができ、充分見えなくても楽しむことができました。
ちょうど小型のパイプオルガンのデモ演奏が行われていました。150本あるパイプの一部に空気を送らないときの音の変化をデモしていただき、なるほどと思いました。
posted by 平瀬 徹 at 10:35| Comment(0) | 音楽
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