中途失明者が増え、点字使用者人口は減少しつつあると思います。
これは健常者の活字離れも同じ。
しかし、近年晴眼者は、iPadのような電子書籍を購読できる端末で、気軽に読書できるようになってきています。
視覚障害者も、ブレイルメモのような点字ピンディスプレーとマイブックのようなソフトを使って、電子書籍を読めるようになる時代がやってくると思います。
とはいっても、点訳ボランティアの皆さんの力が必要でなくなる時代は永遠にやってきません。
図表や楽譜などのように、単純に文字を点字に変換するだけでは解決できないものもあるからです。家電の取説も、図や画面の説明がないと理解できないものもあります。
盲学校(最近は「特別支援学校と名称変更する所がありますが)に重複障害者が増えるにつれ、健常者と同じように一般の小中高校、大学で勉強したいというニーズも増えています。そういう児童・生徒にとっては、理数、英語、楽譜など特殊な点訳が必要になります。点字使用者が減少したとしても、点字を必要とする人はますます増えると思うのです。
しかし、ボランティアの方々も、家族の介護のために点訳を続けられなくなる人も増えているようですし、期限がある点訳を受ける自信がない、ましてや特殊なものとなると・・・・・という声もあります。
そうなると、現在教科書や参考書を点訳して下さっている方々の負担はますます増えると思うのです。
点訳便利帳という本があります。教科書点訳のノウハウをすべて網羅しているものてはありませんが、これから教科書点訳に取り組んでみようというボランティアの皆さんへの足がかりにはなると思います。
現在教科書点訳をして下さっているボランティアの皆さんに講師になっていただき、「点訳便利帳」を使った勉強会を企画したら、参加してみようというニーズはあるでしょうか。後半は、現在教科書点訳をしているサークル同士の情報交換、知恵の出しあいの時間を作ってもいいと思いますが。
2011年01月10日
点字、点訳のニーズ
posted by 平瀬 徹 at 11:03| Comment(1)
| 福祉・ボランティア
たくさんの内容を詰め込んでいるので、それぞれの記述がいささか簡単ではありますが、確かにこれから専門書等の点訳をしてみたい方にとっては、足がかりになると思います。
ただ、おっしゃるとおり、点訳者も高齢化が進み、自身の体調、老親の介護など、ベテランがどんどん第一線から退かざるを得ない状況にあります。
また、若い人は不況の中、自分の生活で精いっぱい、とてもボランティアまでは、という状況ではないでしょうか。
点字教材の点訳をやっていると、確かに必要なところにはものすごく必要とされていると感じます。
また、難しいものになればなるほど、点訳に対して強い意志やある程度の経験・技術がないとできないので、今後、「好きなものを気楽に点訳」というボランティアでは、やっていけないようになると思います。
そういった中で人材を育てるのは非常に難しいですね。
勉強会、北海道のような辺境ではなかなか参加する機会に恵まれません。
高い交通費をかけて東京などへ行けるボランティアはごく少数です。
もう少し、ボランティアの地位が向上し、行政からの補助なども受けられるといいのですが・・・。