2009年08月18日

鍼の師匠が亡くなっていました

このところ明るい話題が少なくてすみません。

私が盲学校を卒業後、二年間勤務させていただいた鍼灸院の院長、松尾敏彦先生がお亡くなりになっていました。昨夜9時前、連絡を頂き、お通夜に行ってきました。

10日の午前中まで患者さんを治療した記録は電子カルテに残っていたそうですが、15日、従業員の方が出勤されて、お亡くなりになっていたことが判ったそうです。
日めくりを前日中にめくり、ベッドのシーツを取り換えてからシャワーを浴び、お酒をたしなまれる毎日だったそうですから、10日中に心臓発作か何かで息絶えたのだろうということです。享年55歳、若すぎる孤独死でした。。

私は学生時代、脈診流の鍼にはまっていましたので、現代医学的な鍼治療には全く興味がありませんでした。
しかし、二人の恩師から「私の顔を立てて、面接に行ってくれないか」と言われ、ホワイトクリスマスの中、一人の恩師に連行されるような形で出かけました。
その夜、松尾先生から「悪いけど平瀬君のこと、いろいろ調べさせてもらいました。こちらとしては全く異存ありません。就業規則を送りますので、よく考えてご連絡下さい」という電話を頂いてしまいました。
今までお世話になった脈診流の先生方を裏切るようなことにもなるので、悩みました。
でも、月給制でボーナスも有給もあり、研究会に参加すれば交通費も参加費も半額負担してもらえる、パソコンも勉強できそうだ、何よりも松尾先生の人間性や行動力に魅せられて、就職を決めました。
松尾先生はとてもよく勉強される方でしたので、帰宅しても「疲れた」と言っている暇はありませんでした。
休日も勉強会や業界の親睦会への参加を余儀なくされました。そのため、デートができず、彼女にふられてしまった・・・・・ということもありましたが。
他の鍼灸院ではきちんと治療を受けられなかったという患者さん、癌やリウマチなどの患者さんもたくさん診せていただきました。
三〜五年は勉強させていただきたいと思っていましたが「今開業しないとだれか近くで開業するから、自宅ではできなくなるよ」と言われ、二年勤めた後開業しました。松尾先生が調査して下さったとおりでした。
ちょうど市営住宅が平屋から高層に立て替えされる時期で、引っ越して行かれる方、引っ越してこられた方両方の患者さんに来ていただくことができました。
松尾先生がタイミングを教えて下さったおかげで、私は自宅で開業することができました
松尾先生のところで働かせていただき、難しい患者さんをたくさん診せていただいたおかげで「他の鍼灸院では治らなかった」とおっしゃった患者さんにも満足いただく治療ができているように思います。
まだまだ松尾先生にはとても及びませんが、これからも学術ともに研鑽を積み、患者さんに喜んでいただけるような治療をさせていただきたいと思います。
松尾先生、どうか安らかにお眠り下さい。
                                     合唱
posted by 平瀬 徹 at 09:42| Comment(0) | 鍼灸治療
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