2009年01月30日

音声教科書は有効か?

盲学校理療科で、音声教科書が就学奨励費として認められることになりそうです。
あんまマッサージ指圧師、はり師、きゅう師の試験が都道府県単位から全国統一試験になって、点字を早く読めない中途失明者への配慮として、音声読み上げによる出題も採用されました。普段の勉強を点字の教科書でしていれば、自分の解答を見直すことはできたでしょう。
ところが、教科書まで朗読(私は音訳という言葉は好きではありません)になってしまったら、読み書きできる文字を獲得することができないと思います。国家試験のとき答案を見直すことができるのか?また合格し職に就いたとして、カルテの読み書きができるのか?
点字表記が「中途失明者に理解しやすいように」とブツ切りに改訂されてきています。しかし、朗読教科書を容認するということは、必ずしも今の点字教科書が理解しやすいということでもないような気がします。

先日紹介した点字で文通コミュニティには、弱視の方がたくさん参加してらっしゃいます。全盲になったときのことを考えて、点字も勉強しておこうという方も多かったんだと思います。大昔、盲学校では弱視者も点字の教科書で勉強させられていた時代があったと聞いたこともあります。

もちろん、パソコンを使えばインターネットで症例や文献検索もできるし、カルテ管理も健保レセプト作成もできます。
 しかし、すべての視覚障害者がパソコンを使えるのでしょうか。

私が免許試験を受けたときの思い出話を・・・・・
当時は都道府県単位の試験だったので、日にちが重ならなければ滑り止めに他の県の試験を受けることもできました。
抽選で私は三重県に行くことができたのですが・・・・・
愛知では学科試験は25分一科目、あるいは50分二科目単位でした。
ところが三重県は、午前の分、午後の分に分けて問題をドサっと渡されて、時間配分はご自由にどうぞ!しかも問題は「何々について述べよ」という漠然とした小論文形式。触読に時間がかかる中途失明者でも実力を発揮できるようにという配慮だったのでしょう。
三重県のあんまの実技試験は、大きな部屋で同時進行。隣では理学的検査をしているのに私は「悪い所を見つけて指圧しなさい」と言われました。試験官が業者だったようで、いろいろ手技についてのアドバイスも受けられ大満足!
はりの実技は三人の試験官に当たりました。その中に、脈診して鍼をするという出題がありました。当時名古屋盲学校では西洋医学的な考え方の治療法を中心に教えていましたので、戸惑った人もいたようです。私は脈診流の経絡治療に興味があり、先輩に誘われて勉強会に参加したり、下校途中も先輩の鍼灸院に通って勉強させていただいていたので難なくクリア!えらく褒められました。

現在の国家試験は学科試験しかありません。臨床家に評価されることなく合格し、患者さんの治療に当たってもいいのか・・・・・。

晴眼者の鍼灸マッサージの学校は私立しかないのでお金もかかります。みんなアルバイトをしたり勉強会に参加したりして必死に勉強しています。
アルバイトで患者さんに接することにより、実践に役立つ技も身につきます。

近年晴眼者と視覚障害者の国家試験の合格率にかなりの差が出ているようです。
盲学校の先生にももっと点字を大切にし、中途失明の人たちに教えてほしいし、先生方にももっと業界とのパイプを強くし、国家試験に合格させればよいのではなく、臨床に役立つ技を教えてほしいと思います。
posted by 平瀬 徹 at 11:51| Comment(5) | 鍼灸治療
この記事へのコメント
こんばんは 音声教科書は、考えもんですねえ。聞くところによると、中途失明で盲学校に入学した人は点字を知らない人がほとんどだとか。みんなテープに録音してるらしいですよ、
Posted by はなてんちゃん at 2009年01月30日 23:29
こんばんは、こちらには初コメントです。
私は晴眼者ですが、点字の勉強をしています。
まだ始めて7ヵ月ちょっとですが、少しずつ役立つ事も出来て来ました。

今は相手の方に親切にして頂いて、私の方が感謝の気持ちでいっぱいでいます。
初めは、マス開けの間違いが多いのでは?などと戸惑いもありましたが、
下手な点字であっても、独りで書いて読み返しているよりも、
実際のコミュニケーションを通して、学ぶ事の方が多いと気が付きました。
そして点字その物よりも、人と人との心の繋がりの方が大切な事も感じました。

ちなみに私は昔のラジカセを直す事もしていますが、
最近のレコーダーはかなり安くなりましたから、
録音の手軽さに押されて、点字離れも進んでいるのかも知れませんね。

私は元々、手紙が好きだったから、電話やメールがあっても、
本当に心を伝えたい時は、点字、墨字を問わず、手紙を書きたいと思っています。
そして、点字も大切に学んで行きたいと思っています。

初コメントで、点字もまだまだ初心者なのに、長くなり失礼致しました。
Posted by ざくろの森 at 2009年02月07日 00:09
ざくろの森さん、コメントありがとうございます。
音声だと後戻りして聴き返すのが大変です。私は耳学問は頭に残りません。
私にとって点字はなくてはならない存在です。
ざくろの森さんがおっしゃるように、点字は読み書きのコミュニケーションを通して学ぶのが早道だと思います。最近はパソコンで入力はできても、点字そのものは読めないボランティアさんもいらっしゃるようです。

話は全然違いますが、カセットの修理のお話が出ましたので・・・・・。
先日、鍼灸師会の広報部長から、カセットテープを大量にダビングしてくれる所を紹介してほしいと言われました。今までテープの会報を依頼していたところが、機器の老朽化か何かの理由で受けてもらえなくなったようです。
視覚障害者向けの朗読図書も、カセットからDAISY形式のCDに移行しつつあることをお話しました。
Posted by 平瀬 徹 at 2009年02月07日 08:23
初めまして私は有岡みゆきです今点字の勉強してますがうまくいかないです
Posted by 有岡みゆき at 2009年09月09日 20:52
有岡みゆきさん、コメントありがとうございます。
点字を覚えていただき、うれしいです。
点字について何か気になることがあれば、いつでも質問して下さい。
点字のお便りも大歓迎です。
Posted by 平瀬 徹 at 2009年09月10日 07:58
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